【連載】世界の療法アプローチ 第8回|カテゴリー:自然由来の薬・栄養
この記事は情報提供を目的とした連載コラムです。高用量のビタミン摂取は自己判断で行わず、必ず主治医にご相談ください。
この記事でわかること
- ビタミンB1(チアミン)を高用量で使う試みとは何か
- 「コスタンティーニ・プロトコル」で報告されていること
- 期待されている仕組み
- 試すうえで欠かせない注意
1. ビタミンB1に注目した、ある試み
ビタミンB1(チアミン)は、体がエネルギーをつくるのに欠かせない、身近な栄養素です。このB1を、ふだんの食事でとる量よりずっと多い「高用量」で使う試みが、世界の患者さんの間で注目されてきました。
この方法を提唱したのが、イタリアの神経内科医コスタンティーニ医師です。標準の治療に上乗せする形で高用量のB1を使う方法で、「コスタンティーニ・プロトコル」「B1療法」などと呼ばれています。
2. 報告されていること
コスタンティーニ医師の症例報告では、高用量のB1を続けた患者さんで、症状のスコア(UPDRS)が改善したというものがあります。医師自身は、この方法を「標準治療の代わりではなく、あくまで補助」と位置づけていました。
大切なのは、これらが主に症例報告の段階にあるという点です。多くの人を対象にした厳密な比較試験でしっかり確かめられたわけではなく、「効く」と断定できる段階には至っていません。期待をこめて研究が続いている、というのが正直なところです。
3. 期待されている仕組み
コスタンティーニ医師は、パーキンソン病の一部では、体の中でB1をうまく使えない状態が起きていて、それが神経の働きに影響しているのではないか、と考えました。高用量のB1でこの状態を補えるのではないか、という発想です。仕組みについても、まだ研究の途中です。
4. 試すうえで欠かせない注意
「ビタミンだから、たくさんとっても安心」ではありません。高用量のビタミン摂取は、体への影響もありえます。
- 自己判断で大量にとらない。量の設定や体調の確認は、医師の管理のもとで行うことが大切です。
- いまの薬はやめない。B1療法はあくまで上乗せの補助であり、標準治療の代わりではありません。
- 体調の変化を見ながら。始めてから気になる変化があれば、医師に相談してください。
まとめ
- 高用量ビタミンB1療法は、標準治療に上乗せする補助的な試み。
- 症例報告では改善の報告があるが、厳密な比較試験での確認は途上。
- 「ビタミンだから安全」ではない。必ず主治医の管理のもとで。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的とした連載コラムであり、特定の療法を推奨・保証するものではありません。効果や安全性には個人差があります。高用量のビタミン摂取や治療内容の変更は、自己判断で行わず、必ず主治医にご相談ください。
参考にした主な情報
・高用量チアミン(B1)療法に関する情報サイトおよび研究一覧