鍼灸 — 東洋の知恵と、現代のエビデンス

鍼灸の鍼とお灸の道具

【連載】世界の療法アプローチ 第10回|カテゴリー:手技療法・体の歪み・姿勢
この記事は情報提供を目的とした連載コラムです。施術を受ける際は、資格を持つ施術者を選び、いまの治療も続けてください。

この記事でわかること

  • 鍼灸とはどんな療法か
  • パーキンソン病に対して報告されていること
  • 期待される仕組み
  • 安全に受けるための選び方

1. 東洋で受け継がれてきた療法

鍼灸は、体の決まった点(つぼ)に細い鍼を刺したり、お灸で温めたりして、体調を整える東洋の療法です。中国から伝わり、日本でも長く使われてきました。パーキンソン病に対しても、世界各地で補助的な療法として研究が進んでいます。

2. 報告されていること

これまでの臨床試験やまとめの研究では、鍼灸が運動症状(動作の遅さやふるえ)と、非運動症状(不安・睡眠・便秘など)の両方で、改善に役立つ可能性が示されています。とくに不安や睡眠、便秘といった、薬だけでは対応しきれない部分での手ごたえが報告されています。

いっぽうで、研究の質にはばらつきがあり、「確実に効く」と言い切れる段階ではありません。標準治療の代わりではなく、上乗せする補助として受け止めるのが妥当です。

3. 期待される仕組み

鍼灸がなぜ効くのか、その仕組みはまだ研究の途中です。脳内のドパミンなどの神経の働きへの影響や、腸と脳のつながり(腸脳相関)への関与などが議論されています。体をリラックスさせ、緊張や痛みをやわらげる効果も、日々の過ごしやすさにつながります。

4. 安全に受けるために

  • 資格を持つ施術者(はり師・きゅう師)を選ぶ。清潔な使い捨ての鍼を使う、信頼できる院を選びましょう。
  • パーキンソン病であることを伝える。いまの薬や体調を共有すると、安全に配慮した施術が受けられます。
  • いまの治療はやめない。鍼灸は補助であり、主治医の治療と組み合わせるものです。
  • 体調の変化に気を配る。合わないと感じたら無理をせず、主治医にも相談を。

まとめ

  • 鍼灸は、運動症状・非運動症状の両方で改善の報告がある東洋の療法。
  • 研究の質にはばらつきがあり、標準治療に上乗せする補助として。
  • 資格ある施術者を選び、パーキンソン病であることを伝えて安全に。

免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的とした連載コラムであり、特定の療法を推奨・保証するものではありません。効果や安全性には個人差があります。施術を受ける際も、現在の治療は自己判断で中止せず、主治医にご相談ください。

参考にした主な情報
・鍼灸の系統的レビュー(神経保護機序と臨床)
・鍼灸のパーキンソン病への効果に関するメタ解析

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