【連載】世界の療法アプローチ 第3回|カテゴリー:自然由来の薬・栄養
この記事は情報提供を目的とした連載コラムです。実際に食事やサプリに取り入れる際は、主治医や薬剤師にご相談ください。
この記事でわかること
- そら豆にもレボドパが含まれること
- ムクナ豆とどう似ていて、どう違うのか
- 食卓に取り入れるときの現実的な話
- 気をつけたい体質・飲み合わせ
1. そら豆は「レボドパ発見の原点」
前回のムクナ豆に続いて、もうひとつの天然のレボドパ源を取り上げます。身近なそら豆(ソラマメ)です。
じつは、レボドパという成分が世界で最初に見つかったのは、1913年、そら豆の若い苗(発芽したばかりの新芽)からでした。私たちが食べる成熟した豆そのものというより、若い植物体からの発見だった点は、少し補足しておきたいところです。パーキンソン病治療の歴史をたどると、その出発点にこの豆があったことになります。そら豆には、脳内のドパミンの材料になるレボドパが自然に含まれています。
2. ムクナ豆との違い
どちらもレボドパを含む豆ですが、含まれる量には差があります。そら豆のレボドパはムクナ豆ほど濃くはありません。とくに、さやごとの未熟な緑のそら豆や、その葉に多く含まれるといわれます。
裏を返せば、薬に近い量をそら豆だけでとろうとすると、かなりの量を食べる必要が出てきます。「そら豆を食べれば薬の代わりになる」と単純に考えるのは難しく、あくまで食事の中でレボドパを含む食材のひとつ、という位置づけで考えるのが現実的です。
3. 食卓への取り入れ方
旬のそら豆を、いつもの食事に一品加える。まずはそこからで十分です。塩ゆでや焼きそら豆など、シンプルな調理が手軽です。彩りや食感が加わり、食事の楽しみが増えることも、続けるうえでは大切な要素です。
レボドパはタンパク質と競い合って吸収が変わるため、お薬を飲んでいる方は、豆を食べるタイミングについて医師や薬剤師に一度確認しておくと安心です。
4. 気をつけたいこと
そら豆は食品ですが、体質によっては注意が必要です。
- ソラマメ中毒(favism) — ある種の体質(G6PD欠損症)の方は、そら豆で貧血を起こすことがあります。過去にそら豆で体調を崩した経験がある方は、医師に相談してください。
- お薬との関係 — レボドパを含むため、量を多くとると、いまの薬と合わさって効きすぎることがあります。MAO阻害薬などを使っている方は、とくに医師の確認を。
「自然の食べ物だから、いくら食べても大丈夫」ではありません。ふだんの一品として楽しみつつ、体調の変化に気を配ってください。
まとめ
- そら豆はレボドパを天然に含み、レボドパ発見の原点でもある食材。
- 含有量はムクナ豆より控えめで、薬の代わりというより「食事の一部」として。
- 体質(favism)や飲み合わせに注意し、心配があれば主治医に相談を。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的とした連載コラムであり、特定の療法を推奨・保証するものではありません。効果や安全性には個人差があります。食事内容の大きな変更やサプリメントの使用は、主治医または薬剤師にご相談ください。
参考にした主な情報
・そら豆・グリーンピース等のレボドパ定量(PMC)
・Ayurvedic levodopa(Parkinson’s Resource Organization)