パーキンソン病:食の実用ガイド

「PD では腸内環境が早くから乱れやすいといわれます。食物繊維・発酵食品・水分を増やし、超加工食品を減らす。便秘や胃腸トラブル、は“薬の効き”にも響くので評価・対処をしていきましょう。

まず押さえる3原則

  1. 野菜・果物・生のエゴマ油や亜麻仁油、全粒穀物・豆・魚・ローストしてないナッツ・発酵食品)=腸内環境や全身状態を整え、便秘や睡眠など“暮らしの症状”に良い影響が期待できます。
  2. 十分な水分+食物繊維(1 日 6–8 杯の水と 25–30g の繊維)=便秘対策の土台。朝の温かい飲み物も助けになります。
  3. 薬と食事の“タイミング調整”=レボドパを効かせたい時間帯は、高たんぱく・高脂肪の食事を避けて 30–60 分前に内服(または食後1–2 時間)。うまくいかない場合は夕方~夜にたんぱく質を多めに寄せる方法(プロテイン・リディストリビューション)を検討。

「食べると良い」具体例

野菜・果物

毎食どちらかを。色の濃い葉物&ベリー類を意識。

全粒穀物・豆類

玄米・全粒パン・オート麦/大豆・レンズ豆。

青魚を週 2 回。オメガ 3 は**気分(うつ)**の改善に役立った小規模RCT があります。

発酵食品

納豆(選びましょう)味噌、醤油、便秘糠漬、キムチ

温かい飲み物と水

朝イチの温かい飲み物+日中のこまめな水分。

※ 体重が落ちやすい方は、ナッツ類やアボカド等でエネルギー密度を上げる工夫を。

控えたい/避けたい

砂糖の多い菓子・清涼飲料、超加工食品(UPF)

2025 年の大規模前向き研究で、超加工食品を多く摂る人ほど PD の前駆(非運動)症状が多いという関連が示されました。発症そのものや進行を断定はできませんが、“減らす価値が高い”群です。

PD では甘い物への強い欲求が出やすい(ドパミン作動薬の副作用や血糖変動も関与)ことが報告されています。

高脂肪・大盛りの食事

胃排出を遅らせ、レボドパの吸収を遅延させます。

乳製品の“とりすぎ”

複数の疫学で牛乳多摂取と PD 発症リスクの上昇が関連(進行や症状悪化を直接示す根拠は不足)。便秘が悪化する人もいるため量と種類を見直す(発酵乳は便秘に有利なことも)。

アルコール

起立性低血圧・睡眠の悪化に注意。控えめに。

薬と食事のかしこい付き合い方

レボドパ

  • 食事とは 30–60 分ずらす(または食後 1–2 時間)。高脂肪・高たんぱくの直後は避ける。
  • 鉄サプリは2 時間以上離す(吸収が大きく低下)。
  • ビタミン B6 :レボドパ+カルビドパ併用では通常の食事レベルのB6 を避ける必要はありません(単剤レボドパはまれ)。
  • うまく効かない時間帯がある→たんぱく質を夕方以降に寄せる方法(医療者と計画)。

MAO-B 阻害薬(ラサギリン/サフィナミド等)

  • 常用量では**“非常に大量”のチラミン食品を避ける注意喚起。熟成チーズ・サラミ・古漬け等を大量に**一度に摂らない/ラベルに従う。

カフェイン

  • 発症リスクとは観察研究で関連がある一方、運動症状の改善効果は RCT で否定的。眠気対策などピンポイント用途で。
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