― 見つけた「楽しむ暮らし」―
「パーキンソン病です」
そう告げられたのは、まだ将来の選択肢がいくつも広がっている年齢のときでした。
パーキンソン病は高齢者に多い病気というイメージが強く、若年での発症は珍しいとされています。そのため、診断を受けた当初は、病気そのものよりも「これからどう生きていけばいいのか」という不安の方が大きかったといいます。
若くして向き合う現実
手の震え、体のこわばり、思うように動かないもどかしさ。
体調には日によって波があり、「昨日できたことが今日はできない」ということもあります。
周囲からは見えにくい症状も多く、元気そうに見えるからこそ理解されにくい場面も少なくありません。
それでも彼女は、「病気を隠すこと」よりも「病気があっても自分は自分であること」を大切にする選択をしました。
できないことより、できることに目を向ける
パーキンソン病と診断されてから、生活は少しずつ変わりました。
無理をしないスケジュール、体調を最優先にする判断、周囲に頼る勇気。
一方で、新しく始めたこともあります。
ゆっくり散歩をすること、好きな音楽を聴くこと、体調の良い日に少しだけ外出すること。
「以前と同じようにできなくても、楽しみ方は変えられる」——そう気づいてから、日常の見え方が変わったといいます。
楽しそうに見える理由
彼女が印象的なのは、「無理に明るく振る舞っている」のではなく、今の自分に合った楽しみ方を自然に見つけていることです。
調子が悪い日は、休むことを自分に許す。
調子の良い日は、その時間を大切に味わう。
「病気があるから不幸、ではなくて
病気があっても、楽しい瞬間はちゃんとある」
そう語る彼女の言葉には、現実を受け止めたうえでの強さがあります。
同じ病気の人へ、そしてすべての人へ
この病気とともに生きる中で、彼女が強く感じているのは「一人で抱え込まなくていい」ということ。
家族、友人、医療関係者、そして同じ病気を持つ人たちとのつながりが、心の支えになっています。
「パーキンソン病になったから人生が終わるわけじゃない。
少し形が変わるだけで、ちゃんと続いていく」
その姿は、同じ病気と向き合う人だけでなく、日々の不安や困難を抱えるすべての人に、静かな希望を伝えてくれます。